2010年2月5日金曜日

Sampled-Data Control Toolboxの特徴

Sampled-Data Control Toolboxは、広いクラスのサンプル値制御系を扱うことができます。


与えられた一般化ホールド、一般化サンプラに対して解析、設計問題が扱えるだけでなく、最適ホールド、最適サンプラの設計を行うことができます。また、入出力むだ時間のあるサンプル値制御系を近似なく扱うことができます。

サンプル値制御系設計の手法とサンプル値制御理論

サンプル値制御系の例(図1)をもとに、サンプル値制御理論について詳しく説明します。



この例においてサンプル周期が与えられているとき、サンプル値制御系の設計はディジタルコンピュータに実装するダイナミクスを制御目的に従って決定することになります。この複雑な問題を解決するために、まずサンプル値制御系のディジタル補償器を連続時間補償器で近似した、標準的なフィードバック制御系とみなします。

このフィードバック制御系に対して「よい」K(s)を定め、K(s)を近似する離散時間ダイナミクスを求めて実装します。


2010年2月4日木曜日

主な機能

サンプル値制御系の解析

  • 時間応答
  • ノルム
  • 周波数応答ゲイン


サンプル値制御系の設計

  • H2最適設計
  • H設計
  • H2最適サーボ系設計
  • Hサーボ系設計

サンプル値制御理論とは?


連続システムである制御対象を、A/D変換機、D/A変換機を介して離散システムであるディジタルコンピュータによって制御する制御系を、サンプル値制御系、またはディジタル制御系といいます。

現在ほとんどの制御系はサンプル値制御系として構成されています。

望ましい性能を与えるサンプル値制御系を設計するためには、サンプル値制御系の安定化、および適切な性能規範の最適化、例えば∥y∥2 (応答yのエネルギー)の最小化が必要となります。

サンプル値制御理論は、このようなサンプル点間応答を近似なく扱う解析、設計のための理論であり、ロバスト制御理論の基本的な問題に対応する問題を解くことができます。

ディジタル制御系の設計において、同じサンプル周期でより高い性能を達成したい場合や、より大きなサンプル周期で同じ性能レベルを達成したい場合に、サンプル値制御理論は強力なツールとなります。



図1:サンプル値制御系の例
ディジタル補償器は、アンチエイリアイシングフィルタ(AAF)、 A/D変換機(サンプラ)S、離散時間システムであるディジタルコンピュータ、D/A変換機(ホールド)Hから構成されています。


Sampled-Data Control Toolbox とは?


Sampled-Data Control Toolboxは、サンプル点間応答を考慮したサンプル値フィードバック制御系の解析・設計を行うためのライブラリ (MATLABサードパーティ製品)です。

Sampled-Data Control Toolboxには最新のサンプル値制御理論が実装されており、サンプル値制御系の時間応答解析、周波数応答解析、H2最適設計、H最適設計、最適サーボ系設計などを近似なく行うことができます。

さらに、入出力むだ時間、一般化ホールド、一般化サンプラなどを含む広いクラスのサンプル値制御系を扱うことができます。